巻 02 · 07政策 · Subsidy

令和 8 年度 林業 DX 関連補助金カレンダー

国・都道府県・市町村の三層で動く 2026 年度の林業 DX 補助金。締切を逃すと次は 1 年先。

著者
農林水産業DX研究所 編集部
公開日
2026.04.02
読了時間
読了 8 分

令和 8 年度(2026 年度)、林業 DX 関連の補助金が、過去最大規模に拡張された。国・都道府県・市町村のレイヤーごとに、申請時期と要件を整理する。締切を逃すと、次のチャンスは 1 年先になる。

01全体像 — 三層構造で覚える

林業 DX に使える補助金は、三層構造で動いている。

レイヤー出し手主な対象採択率の目安
林野庁・農水省機械化・先進事業30〜45%
都道府県各都道府県県政策の重点に応じる50〜70%
市町村各市町村小規模・地域特化70〜90%

三層を組み合わせて使うのが定石。「県だけ」「市だけ」だと採択されても投資額が回収できないケースが多い。

02国レベル — 4 つの主要補助金(2026 年度)

2-1. 林業イノベーション現場実装推進事業

  • 対象:ICT 機械、ドローン、衛星、森林クラウドの導入と運用
  • 補助率:1/2 〜 2/3
  • 上限:1 事業者あたり 5,000 万円
  • 公募開始:2026 年 4 月下旬
  • 締切:6 月中旬(一次)/ 9 月下旬(二次)
  • 採択発表:7 月下旬/11 月初旬
  • 執行期限:翌年 2 月末

巻 02 · 02(岩手 ICTハーベスタ)の事業者が採択を受けたのもこの補助金。

2-2. スマート林業構築実証事業

  • 対象:複数事業者・自治体・大学による連携実証
  • 補助率:定額(上限あり)
  • 上限:1 プロジェクト 3,000 万円
  • 公募開始:2026 年 5 月初旬
  • 締切:7 月初旬
  • 特徴:単独申請不可、コンソーシアム必須

2-3. 森林由来 J-クレジット認証支援事業(新設)

  • 対象:J-クレジット申請に必要なプロジェクト計画書作成、モニタリング機材導入
  • 補助率:1/2
  • 上限:1 プロジェクト 800 万円
  • 公募開始:2026 年 5 月下旬
  • 特徴:自治体・森林組合・複数所有者連携プロジェクトを優遇

巻 02 · 03(J-クレジット)の認証コストを、ここで実質半額にできる。

2-4. 森林整備事業(既存・継続)

  • 対象:間伐、林道整備、再造林
  • 補助率:1/3 〜 5/10
  • 上限:施業面積に応じる
  • 公募開始:通年(県経由)

DX 単独ではなく、施業とセットで申請するときに使う。

03都道府県レベル(参考例)

研究所がヒアリングした主要 8 県の独自補助金を整理する。

補助金名(仮)上限特徴
北海道北の森林デジタル化推進1,500 万衛星・LiDAR 強い
岩手いわて林業 DX 加速1,200 万機械化重点
長野信州里山テック800 万中山間特化
高知高知県スマート林業1,500 万自治体連携必須
宮崎みやざき林業データ統合1,000 万大規模事業者向け
ほか(略)

県補助は国の補助と「重複可」のケースと「重複不可」のケースがある。要事前確認。

04市町村レベル — 見落とされがちなレイヤー

国・県の補助の自己負担分(1/3 〜 1/2)を、さらに市町村が薄める制度を持つ自治体が増えている。

  • 例:宮崎県小林市は、国・県補助の対象事業の自己負担分を、最大 50% まで補填
  • 例:北海道下川町は、デジタル機材の市単独補助で年 200 万円まで上乗せ

「住んでいる市町村が、どんな上乗せを用意しているか」を、まず役所の林業担当に聞くべき。

05採択されるための実務ヒント

研究所が、採択経験のある事業者・自治体担当者にヒアリングして集めた共通項。

  • 数字で書く:抽象的な「効率化」ではなく、伐採量・人工数・コストの数字でビフォアアフター
  • データを自治体に提供する協定を結ぶ:機械から得たデータを市町村台帳に統合する条項を、申請前に締結
  • 「機械を入れた後の現場確保」計画:施業契約見込みのリストを添付
  • コンソーシアム化:単独より、複数事業者・自治体・大学を巻き込んだ方が採択率が上がる
  • 外部書類の専門家を使う:中小企業診断士・行政書士に申請書を見てもらう(費用 30 〜 80 万円、十分元は取れる)

062026 年度カレンダー

申請のための主要イベントを時系列で並べると:

  • 4 月下旬:国の主要補助金の公募開始
  • 5 月初旬〜下旬:実証事業・J-クレジット支援の公募開始
  • 6 月中旬:一次締切(最重要)
  • 7 月下旬:一次採択発表
  • 9 月下旬:二次締切
  • 11 月初旬:二次採択発表
  • 翌 2 月末:執行期限(残金の処理)

特に 6 月中旬の一次締切は、ここを逃すと二次は採択率が下がる傾向がある。3 月の段階で書類準備を始めるのが安全。

本稿の補助金情報は 2026 年 3 月時点の各種公表資料に基づく。実際の申請にあたっては必ず最新の公募要領を確認のこと。

農林水産業DX研究所 編集部
Editorial

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